信仰の島

江の島を訪れるとき人の流れとは逆に(江島神社の参道を右に折れる)西側ルートを歩くことが多い。

すると懐かしく神聖な気持ちに包まれる。古来から多くの人が同じことを感じていたのではと思う。

大好きな瞬間だ。

 

島の西側ルート

 

江の島は、8〜7万年前に隆起し5〜2万年ほど前に陸と切り離されて島になったという。

頂上のサムエル・コッキング苑やシーキャンドル近辺からは縄文時代の住居跡が発見され、少なくとも9,000年には人が生活していた。

 

 

平安時代の書物「江島縁起(えのしまえんぎ)」に記される「五頭竜と天女の伝説」。そのむかし龍神が住んでいたと伝えられる岩屋洞窟(いわやどうくつ)を拝む自然崇拝から信仰が始まった「神の島」。

仏教伝来後、洞窟では弘法大師や日蓮聖人、一遍上人が修行したと伝えられ、江戸時代には江の島詣が盛んになる。

この島は明治時代に入るまで神仏習合(しんぶつしゅうごう)の「信仰の島」だった。

 

三重塔跡地

 

島の西側ルートを行くと明治維新後の神仏分離令(しんぶつぶんりれい)で取り壊された三重塔跡地(現在は市民の家)。先へ進むと眼下に見える相模湾岸、遠くには富士を見渡せる。御岩屋道通りに合流するとまもなく奥津宮(おくつみや)、龍宮(わだつみのみや)。そして岩屋洞窟へと続く。