オロフレの道の無い散歩道 

 里山に福寿草やふきのとうの便りが聞かれるころ

市内の山々はまだ冬の眠りについているように雪が厚く覆っている

 風が吹かないと樹間の散策はさくさくという足音以外に何も音の無い世界になる。

しかし、4月下旬の陽気は春の訪れを、この雪深い景色のなかに見つけることができる

なにしろ長靴でどこまでも樹間をあるいてゆけるのがこの季節の醍醐味だ。

 雪解けになると夏にはほとんど行けないほどの藪や笹の中に長靴でくりだしていけるとは

自然は大きなプレゼントを私たちに残してくれるものだ。

 道は純白、誰も歩いたことのない白銀の世界に一歩一歩足跡を残しながら

まだ眠り深い白い世界を散策させてくれる。しかし、雪深いのだが陽はあたたかくて

冬の支度では体がすぐ暑くなり汗がとめどもなく出てしまう。

 

 2017年(平成29年)4月23日日曜日

 子供たちが「オロフレに硬雪探検に行きたい」と声をかけてきた

長男のサッカーの送迎がてら、長女ともう二人で探検隊を編成して

いざオロフレへ。

 

 標高900mあたりから樹木に氷がへばりついていてきらきらしている

樹氷だ。

 

化物山近くの尾根からは樹氷の向こうに

羊蹄山や有珠山、オロフレ岳、クッタラ湖

噴火湾、などがすべて一望できる。

 

陽が高くなるにつれ、樹氷はひらひらと足元に落ちてくる

背中に入ると冷たい。そして子供たちは自然の中でいろんな遊びを考える

樹氷は木の枝の形そのままに取り出すことができることがわかった

まずはいろんな形を見つける遊びを考えた

そして口に入れて食べだした。

 

雪の中に落ちた樹氷は自然の造形美を作り出す

次に考えた遊びは木登りだ

そしてゆきまくりの大きさを競う競争と雪だるま

里では春が我先にと競い合って出現していると言うのに

ここは沈黙の白い世界

4月のオロフレはどこまでも歩いてゆける白い宇宙だ

雪の無い散歩道は歩いたときだけ道ができる

これもフットパスのひとつになると思う