1223829257696754.htm1223829257696754.htm「白良浜に来たらクエを食え 」をどんどん発信してください。

 

『天然のクエは脂が乗っているのにまったくしつこくない。鍋にすれば適当に脂が落ちる。身と皮の間のゼラチン質のプルンとした食感もよく、コラーゲンもたっぷりだ。「クエ鍋を食ったら他のものはクエん」とか「フグ鍋に勝る」とかファンは熱狂する。結構な値段でもあるから、「食った以上は元を取らなきゃ」と自分にも言い聞かせ、他人にも吹聴したい心理になってクエ鍋伝説は口コミでさらに強化されるのだ。」』これは南紀白浜の出身で元文教大学副学長だった宮本倫好(のりよし)氏の望郷エッセイ(続・山河遥かなり)の一節です。

大物釣りの極め付けクエはスズキ目ハタ科の魚で成魚になると60センチ30キロを超える。ついぞ最近まで「幻の魚」扱いで漁師でも一生に一度も口にすることはなかったのです。ところが、ところがです白浜温泉では旅館や居酒屋あたりで年中食べられるようになりました。それも一部の店ではリーズナブルな値段に設定され、若いカップルなどクエとにらめっこしながら食べているのもほほえましい。実はこのクエなる魚を近畿大学が養殖に成功して天然物の半値程度で市場に出したことで大いにすそ野が広がり、それに触発されたように天然物に先祖返りするかのように白浜では超有名な食材に上り詰めたようです。町の商工会ではゆるキャラ「くえっぴー」が誕生し来泉客に愛想を振りまいているようです。

       

『私の郷里の南紀白浜温泉では、冬には盛んにクエ鍋を売りにしている。ただ天然物は20年以上生きると言われるから、大食いのクエの年代物を人工で作り出すのは無理で、適当な大きさで水揚げすることになる。天然物と比べて肝心の味は果たしてどうか。私はまだ両者を食べ比べたことがないので、断定的なことは言えないが、天然の大物に匹敵する味が人間の技術などで作り出せるとは、とても信じられないのだ(続・山河遥なり)』と宮本センセイがおっしゃる通り、養殖クエの採算ベース、50センチ未満では到底天然の味にはオッつかないと食べ比べた食通は言っている。白良浜近くの居酒屋は年中天然物のクエを提供することで近年クローズアップされているが、ホテルや旅館での夕食後、クエの食べなおしに来るお客が結構多いとのこと、店長は養殖物を食べたことはないらしいがクエは大きいので有名だから旨いのはやはり天然の大きいのに限る、と折り紙をつけていた。

天然物は、従来近くで取れた時や九州物の冷凍で提供されていたため余り話題とはならなかった。ところが九州物も運送の進化で生ものが流通し冷凍技術も進んだことで養殖の生よりおいしくなったから白浜の居酒屋などで安価に食べられるようになりました。

白良浜近くの浜屋台マルキヨは生の天然物を一本買いして捨てるところは骨だけというくらい(オーナーの話)使い切ることで安く提供できるようです。

店内では小さな出刃一丁でで30キロ級のクエをさばくビデオも放映してクエ料理の普及に努めています。